■梅毒
梅毒は「スピロヘータパリダ」という病原体によって起きます。
感染経路には、母親の胎内で感染する先天性梅毒と、外部から、性的接触によって感染する後天性梅毒とがあります。後天性梅毒には、性交・接吻・授乳などによって移る直接感染と、患者の使った衣類・包帯・食器などから移る間接感染とがあります。

梅毒に感染すると、２週間くらいで症状が出てきます。
バラ疹感染（体中にバラ色の発疹が起こる）した所に硬い腫瘍の出る硬性下疳などの症状があります。この時期を過ぎると、長い期間をかけて慢性疾患の様相を呈します。一生ついて回る恐ろしい病気です。お酒を飲んで、ついうかうかと怪しげな所で女性と交渉を持ったりすると、こんな一生ものの恐ろしい病気を背負ってしまうことになりかねません。

治療はペニシリンで行いますが、治った後も、血液検査の結果はプラスに出てしまいます。恥ずかしい勲章を一生ぶらさげてしまうようなことになります。

■淋病
梅毒ほど怖くないためか、よく見られるのが淋病です。
３〜４日の潜伏期を経て、尿道口のかゆみ・発赤・粘液の分泌が起こります。
１週間ほどすると、多量のウミが出るようになり、小便をする時、激しい痛みを感じるようになります。

この淋病にかかる人は、包茎の人が圧倒的に多い。また、風邪をひいたり、下痢をしたりして全身の状態が悪いとかかりやすい。包茎は亀頭が細かいキズを受けている場合が多く、その傷口から淋菌が侵入しやすいようです。

抗生物質の投薬で治療できますが、最近は淋菌の抗生物質への耐性が高まり、治りにくいタイプのものが増えています。

■クラミジア
クラミジア感染者数は、急激に増加しており、その数は現在国内で推定１００万人ともいわれ、 ２０〜２４歳の女性の約１５人に１人が感染していると予想されます。
しかも感染者の内、女性で７０％以上、 男性でも約５０％は自覚症状がなく、放置すると、女性では卵管などに炎症を起こして不妊や流産の原因になります。
潜伏期間は１〜３週間。 男性は尿道炎を起こし、軽度な排尿時痛、尿道からの分泌物などがありますが、症状に気付かず放置すると、 精路に波及し、前立腺炎、精管炎、精巣上体炎などを引き起こすこともあります。 また、STDに感染していると、普通の３〜４倍もエイズにかかりやすくなります。

■軟性下疳
デュクレー桿菌という細菌がペニスの冠状溝などにつき、潰瘍をつくります。
包茎であれば、そこに接する包皮にも潰瘍をつくります。感染後の潜伏期間は２〜３日と短く、赤い丘疹ができ、その中心にちいさな「おでき」ができます。この「おでき」がつぶれて、潰瘍ができますが、潰瘍の分泌するウミのついた個所にまた潰瘍ができてしまいます。梅毒の硬性下疳と違い、潰瘍の周囲はやわらかい。この病気も抗生物質で治療できます。

■陰部ヘルペス
病原体はウィルスですが、従来からあった単純ヘルペスと違い、セックスによって感染するため、陰部ヘルペスと呼ばれます。亀頭冠状溝にできやすく、包茎があるときは包皮に自家移植します。浅い潰瘍で、潜伏期は２〜１０日。発熱・頭痛・倦怠感・筋肉痛・リンパ節腫脹などの症状があります。
はじめ小さな水泡ができ、これが破れて潰瘍となります。この１回の発作の期間が２〜３週間で、一応治癒します。発作が終われば治癒するわけですが、風邪・下痢などで全身状態が悪くなると、再び発作の起こることがあります。

こういった性病・性感染症の対処法としては、感染する可能性のあるような性交の場面を避けることですが、独身男性のように、どうしても性的欲求を抑えらない場合は必ずコンドームを使用することを忘れないことです。
体に変調を覚えるような場合で、どうも病院にいくのは恥ずかしいという方には、
ヘルスネットの郵送検診で、感染の有無を確認してもらうことができます。
不幸にも性感染症にかかってしまったことが判明した場合は、すぐに医者にかかることです。ガールフレンドや妻など、パートナーも検査を受け治療を受けることです。

健全で快適な性生活を営むためには、いつも自分の身辺に注意を怠らないようにしましょう。